香港の不動産バブル
銅鑼湾にあるタイムズ スクエアに香港人の友人と買い物に来た時の話である。
タイムズスクエアの前にあるラッセルストリート向かいのビルを見て友人はこういった。
「ここにPRADAが入るんだ。それも桁違いの高い賃料を払ってね。」
御存じかも知れないが香港は不動産がべらぼうに高い。この限られた土地にたくさんの人が住んでいるからだ。だから、どんどん上へ上へと高層マンションが建てられている。この近年不動産バブルでどんどん不動産が値上がりしている。したがって家賃も値上がることになる。しかし、ようやくピークがきたのかCLSA証券会社によると香港政府による不動産取引抑制策の影響により、不動産価格は、来年末までに15%下落するとの見方を示した。今後の香港の不動産価格は果たしてどうなるだろう。
「香港の不動産は異常に高くなり過ぎたよ。すでにマンションを購入した友人達はよいが、俺や不動産を持たない友人は大家から家賃の値上げで苦しめられている。」
「じゃあ、香港の不動産バブルははじけるの」
「香港金融当局が不動産向け金融を引き締めて、不動産バブルが破裂する、破裂する、と言われてはいるが、なかなかはじけないねぇ。今の不動産価格はゆるやかに下落してるそうだけど、あんまり感じないなぁ。」
「外国人が香港の不動産を購入する際、15%の税金をかけるようにしただろ。」
「ああ、だから少し前に税金がかかるまえに買うほうがお得ですよって尖沙咀のミラマショッピングセンター前辺りに不動産屋が群がってたよね。俺は見向きもされなかったけど。」
「タクヤは外国人に見えなかったんだろ、それに ありゃ本土の金持ち中国人がターゲットだからな。」
「俺、見た目 日本人にみえない……..か?でも、日本の消費税前の駆け込み需要と同じだな」
「笑。香港住んでるわけでもない奴らに投資目的で不動産買われて、香港に住んでいる者たちが苦しめられてるのは嫌だろ?」
「ああ、でも香港に住んでる日本人の俺が香港で不動産を購入しようとしたら、15%の税金かかっちゃうね」
「お前が日本人だろうとなかろうとパーマネントID(永久居民)を持ってれば、大丈夫だ、タクヤマンション購入できるぞ」
「いやいやいや、俺そんな金ないし。でも、もしあったとしても今後香港の不動産は下がっていくはずだろ?」
「さあ、どうだかな?見ろよ、ここにPRADAが入るっていっただろ?ここの賃料いくらだと思う? 月900万HKDだ。」(約1億1500万円)
「え!月額でそんなにすんの?」
「ああ、店舗やオフィスまとめてだけどな。このビルのオーナーはおもちゃ屋だけどな、儲かってたまらんだろうなぁ」
「でも香港の不動産ってこの先いったいどうなるんだろな」
「さあな、SARSの時にこのままでは香港は危ないという事で不動産思いっきり大暴落したからな、下がる事だってあるさ。でもその時マンション購入した人たちは大儲けしてる。俺もその時購入しておくんだった。」
「笑 ああ でもあの時、おまえ彼女まだいなかったじゃん。香港人は結婚する時に男はマンション購入するって本当?」
「ああ、だから困ってるんじゃないか。結婚考えてるのにマンションがこう高いと結婚できないし、彼女から結婚迫られてる。」
「ん?香港の不動産が下がると結婚する人々が増えて、子供が増えてたくさん人が増える。そうすると狭い香港、不動産が上がり...いくら政府が不動産向け金融を引き締めてもこりゃ不動産下がりそうにもなさそうだな。」
「いや、俺は下がると思う、いや下がってほしい。米国債の利回りが上がってるから不動産より米国債を買う奴らも増えてる。香港はペック制で米ドルと固定してるから為替リスクも少ない。」
「でも、中国大陸の金持ちどもが、香港ID求めて投資ビザ目的でポンと香港の高額物件を買ったりするだろ。」
「いやいやいや、投資ビザがもらえる最低金額も値上がったし、鼻の利く金持ちたちはもう、今後オリンピックで盛り上がる東京などの海外物件に手を出していると聞くぞ。」
「本当に香港の不動産が下がって欲しいみたいだな。でも、不動産が下がるか、結婚あきらめるか どっちが先かな 笑」