中国のゴルフ2
とうとうゴルフ場にでることになった。キャディさんは1人に1人が付く。キャディさんを入れて我ら8名は2台のカートに分かれて12あるコースのうち1つに行く。
キャディさん達を後ろに乗せてカートは進む。行きは中国の銀行のお偉いさんが緊張する私を乗せてスムーズにカートを運転していく。
しかし、遠い、ゴルフ場まで遠い。初めてゴルフ場にでたのだが、カートを使ってもコースまでこんなにも遠いとは思わなかった。緑の中を疾走するカートの中で私は腹をくくっていた。誰でも初めての事はあるものだ。ここに来た有名人タイガーウッズだって、ジャックニコラウスだって、ジャンボ尾崎だって
そう、加藤愛だってだ。。。
せっかくこんな素晴らしい所へ招待されたんだ。楽しまなくては。
さて、プレーとなる。
のっけから注目の第一打目が私である。
「カーン 凄いぞ 飛距離がでたー」
とはならないのが、素人ゴルフである。そう、ゴルフをこよなく愛する方々の思惑通りであった。ボールは上に上がらずコロコロとあらぬ方向へ。そう、ゴルフとは決して甘いスポーツではないのだ。
自分との闘い?よく言ったものだ。
その通り、恥をどれだけ耐え忍ぶことができるか 自分との闘いである。周りはまあまあ そんなに緊張しなくていいから といった空気に包まれた。そうして、プレーは進んでいった。
「カーン」ボールはまたもやあらぬ方向へ飛んでいった。ラフに入り、どこにあるのかさえもわからない。
すると、中国人のキャディさんは、「ボールならここにありますよ」といった
感じで、私の前にボールを ぽいっ とほおり投げた。
「うん?」
こんなんでいいのか?
キャディさんと目があった。時間にして1秒かかったかどうか。しかし、私の真っ白な頭の中では途方もない時間に感じられた。そしてキャディさんと私は同じタイミングで照れ笑いしていた。
私は世界名門のゴルフクラブの名にびびらされていた。尾崎の考えたコースだ
の、毎年世界マッチが行われるだのここはやはり中国のゴルフ場だ。
私だけでなく、お客様もボールを見失ったりした時に、ごくごく自然にキャディさんがポイッとグリーンにボールをほおっている。こうして、楽しい?ゴルフは続けられた。もちろん、持たされたスコアブックには何も書き込まずに。
夕方になり、ボールも見にくくなった理由で、途中で止めにしてカートでクラブハウスに戻った。「ふん ふん ふん」とハナウタをくちずさみながら、颯爽とカートを動かしていく。
「おーい そっちじゃあないぞぉー」と後ろから声がするまでは。
クラブに戻り、SPAで酷使もしていない脚を揉んでもらったり、さほど運動量もないのに、腹だけは一人前以上に空腹となり、美味しい中華料理に舌鼓を打ったり、クラブハウスないにある豪華なホテルでくつろいだりと、それはそれは至れり尽くせりであった。
「ゴルフ初心者の方は、中国のゴルフ場が良いと思われます」
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